この記事では、初心者の方で、サイレントチェロの購入を検討している方に向けて、
・初心者だけどサイレントチェロって買った方が良いの?
・サイレントチェロのメリット・デメリットって何?
といった疑問にお答えしていきたいと思います。
この記事の信頼性
この記事の筆者は、30代で完全初心者からチェロを習い始めました。「山野楽器の大人のチェロ教室」で5年以上レッスンを受けた実績があります。チェロは、ヤマハの「サイレントチェロSVC50」を最初に購入し自宅練習用に使っていました。
私が購入したヤマハのSVC50の演奏映像を見つけたので参考に貼っておきます。
初心者がサイレントチェロを買うメリット
最初に、初心者がサイレントチェロを買うメリットについてご説明していきたいと思います。主に以下の4点です。
・サイレントチェロの音量は?音が出せない環境や深夜の練習には最適
・保管に場所を取らない
・サイレントチェロは使わなくなったら中古で売却しやすい
・サイレントチェロは中古品を購入しても一定の品質が見込める
順番に説明していきます。
サイレントチェロの音量は?音が出せない環境や深夜の練習には最適
初心者に限らず、サイレントチェロの購入の検討をされている方はなんらかの理由で、
・大きな音が出せない環境でチェロを弾きたい
というニーズがあると思います。例えば、
・マンションなどで大きな音を出しにくい
・アパートなどの賃貸物件で壁が薄い
・会社員で練習は帰宅後の深夜しかできない
といった様々な事情(私は上の3つに全て該当w)があると思いますが、とにかく小さい音で練習したいという方にはサイレントチェロはベストな選択です。
実際のサイレントチェロの音量はどれぐらいなのでしょうか。
音を出さないように設計されていますので、当たり前ですが、普通のチェロと比べると音がかなり小さいです。
ヤマハのHPによれば普通のチェロ(アコースティック)の10分の1の音だそうです。
サイレントチェロの生音の動画は見つからなかったのですが、サイレントバイオリンの生音が聞けるありましたので、貼り付けておきます。
音の大きさの違いは、サイレントチェロも同じと考えてもらって大丈夫です。
私の場合、深夜に練習する際は、サイレントチェロの音量でも気になりましたので、さらに防音のためにミュートを付けて練習をしていました。
因みにミュートはゴム製よりも金属製の方が防音効果が高いそうです。
保管に場所を取らない
二つ目のメリットは保管場所を取らないということです。
サイレントチェロの種類によりますが、私が購入した「ヤマハSVC50」は、ボディの胸当て、ひざ当て部分が取り外し可能で、専用ソフトケースにしまうとコンパクトになります。(以下少し小さいですが、ヤマハHPからの画像です)
少しでも保管場所を取りたくないという方には良いと思います。
サイレントチェロは使わなくなったら中古で売却しやすい
サイレントチェロは、主要メーカーがヤマハぐらいしかなく、購入する側も品質がある程度わかるためか、中古品でもそこそこ引き合いがあります。
実際に私も数年前にヤフオクに出品して売却をしました。若干損傷している箇所がありましたが、演奏には問題ない状態のものが約10万円で売却できました。今だったらメルカリの方が早く売れるかもしれませんね。
もし売却されるときは、楽器ですので、梱包には気を付けて発送するようにしましょう。
梱包に自信のない方は、楽器専門の配送業者か引き取りのみ対応という出品の方法もあると思います(引き取りならジモティなんかも使えると思いますよ)
サイレントチェロは中古品を購入しても一定の品質が見込める
中古品で売却しやすいの裏返しになりますが、「中古品を購入しても一定の品質が見込める」というメリットがあります。
普通のチェロの場合、実際に弾いてみないと音などがよくわからないので、中古品をネットで購入するのはためらうと思います。
一方で、サイレントチェロはヤマハのものがほとんどですから、品質は楽器店で確認ができます。状態さえ悪くなければ、楽器店で購入するものとそれほど変わらないものが中古で購入できます。
私が購入したSVC50は、新品の場合、下のリンクのとおり18万円程度しますが、
ヤフオクの履歴などを見ると、こんな感じで大体6~9万円で購入することができます。弦の劣化等はあるかもしれませんが、本体はさほど劣化しません。
丁寧に扱って中古で購入して、使い終わったらまた売却すればほぼ費用ゼロでサイレントチェロを使うことも可能です。
初心者がサイレントチェロを買うデメリット
サイレントチェロを購入する際のメリットをお話ししてきましたが、デメリットについてもお話ししていきたいと思います。私が考えるデメリットは以下の通りです。
・サイレントチェロは高い
・サイレントチェロだけを購入しても後に本物のチェロが欲しくなる
・サイレントチェロでは上達しない?
順番に説明していきます。
サイレントチェロは高い
ヤマハのサイレントチェロは以下の3シリーズあり、正規の値段は以下の通りです。
・SVC50(180,000円)
・SVC110(290,000円)
・SVC210(280,000円)
※価格は税抜き
結構なお値段ですよね。
普通のチェロは一般的には20万円以上のものを買った方が良いと言われます(詳しくはこちらの記事「【初心者向け】最初に購入するチェロの値段とおすすめの選び方」を参考にして下さい)ので、それに比べれば安いですが。
独学でチェロを始めたいという方や予算に制限がある方で楽器にお金を掛けれないという人は、
・サイレントチェロを中古で購入する
・安価なチェロ+ミュート
・無料でチェロがもらえる音楽教室に入る+ミュート
という方法もあります。
サイレントチェロを中古で購入する
先に紹介した通りですが、サイレントチェロは中古でも購入できます。
新品に比べると10万円ほど安く買えますので、良いものを購入できれば、かなりお得ですが、出品数が少ないためほしい時に手に入らないといった問題があります。
安価なチェロ+ミュート
前者は、Amazonなんか以下のようなセットを買って、金属製のミュートで防音しちゃいましょうというものです。独学でお金を掛けたくないならありだと思います。
Amazonで初心者セットが買えるハルシュタットのチェロを弾いている動画を発見したので、貼っておきます。参考にどうぞ。
無料でチェロがもらえる音楽教室に入る+ミュート
もう一つは楽器を無料でもらえる音楽教室で、チェロをもらって、同じように金属製のミュートで消音しちゃいましょう、というものです。
「EYS音楽教室」という音楽教室に通えば、チェロとケースを無料でもらえます。レッスンには通いたいけど、楽器にお金はかけれないという方には良いと思います。
サイレントチェロだけを購入しても後に本物のチェロが欲しくなる
これは、筆者が一番感じたデメリットですが、「最初にサイレントチェロを購入しても、あとから普通のチェロ(アコースティック)が欲しくなる」ことです。
だって、チェロを習い始めたのは、チェロが弾きたいからであって、サイレントチェロを弾きたかったからではないですよね。
1年ほどサイレントチェロで頑張りましたが、結局、普通のチェロを購入して、サイレントチェロはあまり使わなくなってしまいました。
先ほど、中古で売却したと言いましたが、結局10万円ぐらいは持ち出しがあったので、「最初から10万円高いチェロを買えば良かったな」と感じています。
サイレントチェロの購入を検討される方は、「音」を気にされていると思いますので、
・サイレントチェロ
・アコースティックチェロ+ミュート
を弾き比べて、サイレントチェロでなくても大丈夫そうであれば、普通のアコースティックチェロを是非購入することをお勧めします。
サイレントチェロでは上達しない?
よく言われるデメリットとして、「サイレントチェロは本物のチェロとは別物なので、サイレントで練習しても上達しない」というものがありますが、私は、初心者は、とにかく弾くことが大切だと思います。
私は、サイレントチェロでも上達はできると思いますし、実際上達したとも思っています。(将来、プロになろうという方には良くないかもしれませんが)
サイレントチェロから普通のチェロに切り替えた際に困ったのは、チェロの厚みの感覚が異なったことです。サイレントに比べると本物のチェロが分厚く感じて、弦と弓の距離が取りにくく感じました。(続けていくと慣れていきますが)それぐらいです。
サイレントチェロでは上達しないとは個人的には思っていません。
まとめ
この記事では、初心者の方で、サイレントチェロの購入を検討している方に向けて、
・初心者だけどサイレントチェロって買った方が良いの?
・サイレントチェロのメリット・デメリットって何?
といった疑問にお答えしてきました。
結論は、人による
ということだと思います。私の場合は、「買う必要はなかった」というのが、今の結論ですが、
どれぐらいの音が出せるのか、予算はあるのかは、人によって異なります。
ご自分にとってベストと思われる解を探す参考にこの記事がなれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。