皆さんは「eスポーツ」と聞いてどんなイメージを持ちますか?
「スポーツ」じゃなくて「ゲーム」でしょ?
といったご意見が多いのではないでしょうか。
スポーツといえば、サッカーや野球など、身体を動かすものというイメージがいまだに強いですよね。
eスポーツは「スポーツ」or「スポーツではない」、については様々な意見がありますし、国際的にも見解は分かれているようです。
ただ、世の中の流れとしては、eスポーツとして定着してきているのは、確かです。
今日は、eスポーツについて、スポーツなのか、スポーツではないのかを考察していきたいと思います。
eスポーツとは
eスポーツがスポーツかどうかの議論の前に、まず、「eスポーツとは何か」を確認しておきましょう。
eスポーツのeとは
まず、eスポーツのeとは何でしょうか。
この「e」は「electronic」の頭文字です。
electronic(エレクトロニック)とは、「電子の」「 電子工学の」「 電子音楽の」といった意味の英語です。
eスポーツの定義
2018年2月に活動を開始した「一般社団法人日本eスポーツ連合」の定義によれば、
「eスポーツ(esports)」とは、「エレクトロニック・スポーツ」の略で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称。
(一般社団法人日本eスポーツ連合HPより引用)
簡単に言ってしまうと、複数人のプレイヤーで対戦するゲームをスポーツとして解釈して「eスポーツ」と呼んでいます。
海外ではどのような定義なのでしょうか。
ケンブリッジディクショナリー(Cambrige Dictionary)によれば、
多くの場合はインターネットで、時には特別なイベントで他の人々の観戦の中、多くの場合はお金のために、インターネット上で他の人々とコンピューターゲームをする活動。
世界のトップゲーマーたちが幅広いゲームで競い合って、Eスポーツは主要な産業になりました。
Eスポーツは今や巨大な観客スポーツです。(出典:Cambrige Dictionary筆者訳)
としています。観戦スポーツとスポーツという言葉を使っていますね。
スポーツの定義は?
eスポーツがスポーツなのかという議論をするためには、スポーツの定義を確認する必要があります。
・スポーツの定義に当てはまれば、スポーツ。
・当てはまらなければ、スポーツではない。
と解釈できると思います。
goo国語辞典を調べると、
スポーツは、
楽しみを求めたり、勝敗を競ったりする目的で行われる身体運動の総称。陸上競技・水上競技・球技・格闘技などの競技スポーツのほか、レクリエーションとして行われるものも含む。
とされていて、身体運動と位置付けられています。
eスポーツは指や目の運動が中心となりますので、これを身体運動と考えるかによって意見が割れると思います。
一方、Oxford dictionaryによれば、
スポーツとは、個人またはチームが娯楽のために他の人または他の人と競争する身体的な運動とスキルを含む活動です。
と定義されていて、肉体的な運動だけではないと読むことができます。
「娯楽のために、他の人と競争する」という定義にはeスポーツはピッタリ当てはまりますので、Oxford dictionaryの解釈によれば、スポーツと解釈することができそうです。
ルネサンス高校のeスポーツコースの見解
先日、日本の高校で初めてeスポーツの専門コースを開設したルネサンス高校のオープンキャンパスに行きました。
その際の学校側の見解は、
国内:スポーツは野球やサッカーなど身体運動という認識が強い
海外:チェスやダーツ、ビリヤードなどもスポーツとして認知されている
国際的には、スポーツと考えるのが妥当ではないか、という見解でした。
Oxford dictionaryの解釈と同様ですよね。
世の中の流れは?
スポーツという言葉の定義も様々な解釈があるため、eスポーツについても明確に定義することは難しそうです。
言葉というものは、時代とともに意味が変わってくるものです。
例えば「全然」と言う言葉をでも、昭和の頃は「全然~ない」と否定語とセットで使われる言葉でしたが、平成に入り「全然大丈夫」とか肯定する言葉と使われるようになり、意味も変わってきました。
同じようにスポーツという言葉も、時代とともに変わってくるものです。
F1やインディカーのようなモータースポーツもひと昔前は「スポーツ?」と思われていたはずです。
今後、eスポーツがスポーツとして認知されるかどうかは、世の中の流れによると思います。
では、世の中の流れはどうなっているのでしょうか。
国際オリンピック協会の扱い
国際オリンピック協会(通称:IOC)では、チェスとブリッジ(およびエアスポーツと自動車スポーツ)の両方を真正なスポーツとして認めています。
eスポーツについても、様々な課題があるため、時間が掛かるかもしれませんが、将来はオリンピック種目とする議論もあるようです。
オリンピックより一足先に、アジア競技大会(2018年、ジャカルタ・パレンバン開催)ではデモンストレーション競技として史上初めてeスポーツ競技が採用され話題を集めました。
そういった観点で言えば、世界では、スポーツの1ジャンルとして取り扱われる流れのようですね。
国内でもeスポーツはスポーツとして認識されつつある
先日、茨城で行われた国体“いきいき茨城ゆめ国体”の文化プログラムとしておこなわれた、“国体”初のeスポーツ大会をご存知でしょうか。
国体初のesports大会に老若男女が大熱狂。『グランツーリスモ』、『ウイイレ』、『ぷよぷよ』の3種目で競い合った“全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2019 IBARAKI”をリポート
国体といえば、国民体育大会との正式名称のとおり、運動競技が主の大会です。
そんな国体のプログラムとしてeスポーツが行われたということは、画期的なことですし、国内でもeスポーツをスポーツとして扱う認識になってきたということだと思います。
まとめ
いかがでしょうか。
eスポーツはスポーツかそうではないのか、について考察してきました。
スポーツという言葉の定義があいまいな中で、言葉だけで結論を出すことは難しいのですが、一つ間違いないのは、世の中の流れとしてスポーツとして扱う方向だということです。
私もそうですが、eスポーツと言われてスポーツじゃないと感じる方もいまだに多いと思いますが、それでは「時代遅れ」と言われてしまうのかもしれませんね。
この記事が皆様の何かの役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。