マンションにお住まいの人にとって、管理組合の役員の仕事は避けて通れないものですが、できればやりたくないと思っている方がほとんどではないでしょうか。
ましてや理事長なんていう大役は絶対やりたくないと思いますよね。
そんな私も不幸にも(?)理事長に当選してしまったわけですが、1年間やり通した結果、理事会、管理会社から『来年度も理事長をやってほしい』と言われるまでになれました。
この記事では、
・マンション管理組合の理事長って大変なの?
・理事長をやるメリットって何かあるの?
・理事長をやるときのコツって何かあるの?
といった疑問にお答えしていきたいと思います。
【意外とメリットあり】マンション管理組合の理事長は大変?
マンション管理組合の理事会の役員になりたい人は少ないと思います。
・報酬は無い
・週末は理事会で時間をとられる
・面倒な住民のクレームに巻き込まれる
といったマイナスのイメージですよね。当選したらどうしようと憂鬱になりますよね。私もそうでした。
マンション管理組合理事長に選出される
他のマンションも同じだと思いますが、私のマンションでは理事会の役員に立候補者がいないと、過去役員をやったことがない部屋を対象として抽選が行われます。
住戸数がそれなりにあるので、頻度は10年~15年に一度ぐらいなのですが、ある時、抽選に当たりました。
「面倒くさい。いやだなあ」というのが、第一感でした。
「仕方がない。楽な役職で、一年間やり過ごそう」
と考えていましたが、役職決めに欠席したため理事長になってしまいます。
どこのマンションでも同じですが、一番大変な理事長に立候補する人は皆無で、通常、理事長の決め方は
「くじ引き」
になることが多いようですね。
当マンションもくじ引きの結果だそうですが。。当日欠席だった私のくじがなぜ当たったのかはさておき、
仕事も忙しかったし、子育ても大変な時期だったので、
「なんで自分が?」「他に暇な人がやればいいじゃん」
と不満に思って全くやる気が出なかったと記憶しています。
マンション管理組合の理事長の仕事は大変?
マンション管理組合の理事長と他の理事会役員(副理事、理事、監事等)では仕事の大変さに差があります。
管理組合の中での仕事の分担が明確であれば、そうではありませんが、理事長だけがやる仕事も結構あります。
・総会議事録の確認、押印
・月次の会計報告、業務報告のチェック、署名、押印
・理事会の司会、運営
・総会の司会、運営
・災害等の緊急時の判断
・理事長関連の書類、印鑑等の保管
・管理会社とのコミュニケーション
などなどです。
ということで、他の役員と比較しても結構やることがあります。一言でいえば結構大変です。
マンション理事長としてのやる気を出すためのコツ?
とはいえ、理事長に決まってしまった以上、なんとかこなさなければいけない。
仕事が大変だからといって、投げ出すわけにもいかなかったので、いろいろと模索をしました。
そんな中で、マンション理事長としてやる気を出すきっかけになったこと(コツとまでは言えないと思いますが)2点ご紹介したいと思います。
・ネット記事の検索
・自分のマンション総会に出席する
順番に説明していきます。
ネット記事の検索
先輩理事長からの役に立つ情報がないかと思い、ネットを検索しました。
楽にやる方法とか、同じような境遇の人の記事を探していたのですが、逆にやる気を持って理事長に取り組んでいる方の記事が結構見つかりました。
様々な記事を読むうちに、「マンションの管理組合って何だろう」と考えるようになりました。
読んでみると皆さん自分のこととして取り組まれていたんですよね。
そうなんです、
「管理組合は誰のためのもの」かと言えば、住民のためであり、最終的には、自分のためのもの
ということがわかり少し理事長をやる意味が見えてきた気がしました。
ネットが面倒くさいとか理事会や理事長の仕事を体系的に知りたいという方は以下のような本で学ぶのが良いと思います。(ちなみに管理会社がちゃんとした会社なら、理事長向けのハンドブックのようなもがもらえます。それだけでも十分に勉強はできます)
自分のマンションの総会に出席する
もう一つ考え方を変えた出来事がありました。
理事長をやることが決まってから、前年度の役員による管理組合の総会(通常年1回)に出席しました。
それまでは管理組合の活動に興味はなく、一度も出席したことはありませんでした。
初めて出席した総会は、ひどいものでした。
説明が長く、質疑応答の時間が短い中、質問にはまともに答えず、強引に採決を取るという運営がなされていました。
国会で見る強行採決のようでしたね。
議長だった理事長は、管理会社側と結託し、早く総会を終わらせようとしているようにも見えました。
理事長は住民側の代表ではないのか?
なにかおかしい、このままではいけない、と感じたのを覚えています。
そんな経験から、理事長の任期が始まる頃には、
・一年間できることをやろう
・できることはできるし、出来ないことはできないから
と、腹をくくることができました。
実際に総会に出てみると、自分のマンションの管理組合運営の良い面、悪い面が見えてくると思います。
理事長にはそれなりの権限があります。悪い面を何とかしたいと思えば変えることができます。ぜひ前向きにとらえてみてください。
理事長就任にあたり考えたこと
まず、理事長として1年間過ごすにあったって考えたことをご紹介します。
何を軸にするか考える
マンション管理組合は、住民のためのものであるという原点に立ち返り、以下の2つを軸にしました。
・住居としてのマンションを守る
・資産としてのマンションを守る
一点目は、住まいとしての快適さ、安全性を向上するということです。
二点目は、マンションは住民の資産でもあるので、その価値を守る、もしくは向上させていくということです。
この2つを軸に、理事会の運営を行っていくことしました。
何か困難な事象のぶつかったときに、この2つの軸に立ち返り考えたことで、様々な解決策を見つけることができました。
理事会運営で気を付けたこと
少し補足的な話ですが、マンション理事会の運営で気を付けたことをご紹介しておきます。
・マンションの管理会社との関係
・マンションの管理組合総会は自分で説明つもりで運営する
順番に説明していきます。
マンションの管理会社との関係
マンションの理事会にとって、管理会社との関係は重要です。
日々の様々な業務や理事・総会の運営等を担ってくれています。
管理組合は委託者ですので、基本的に任せられることは任せて、理事会がチェックしていく、判断が必要なことは理事会で判断するというスタンスで良いと思います。
一方で、管理会社に任せすぎると悪いこともあるかもしれません。
私の前任は、任せきりの傾向があったようで、前年度の総会での議案に様々な間違いがあったり、議決したもののその後の運用を想定していなかったりして、かなり苦労しました。
管理組合に丸投げするのは楽ですが、確りとチェックして牽制を効かすというのが重要だと思います。
私の場合は、上記の総会での議案のミスなどを含め、最初に厳しく注意をしました。
住民がお金を払っているわけですから、その分は確りと働いてもらうということですね。
マンションの様々な課題を一緒になって解決していくという点で向いている方向は同じですから、うまく連携して良い関係を構築できると、理事会の運営もスムーズに行くと思います。
マンションの管理組合総会は自分で説明
月に1度の理事会については、その場その場の課題について話合えばよいと思いますが、私は総会での議案となること想定し、議事を進めていました。
その結果、議論も深まりましたし、住民の立場に立って考えるということもできたと思います。
総会では、管理会社の方が説明を行うケースも多いと思いますが、それでは住民の皆さんへの説明責任が果たせないと思い、結局すべて自分で説明しました。
マンション理事長をやるメリット
マンション管理組合の理事長をやってみて感じたメリットはいくつかありますが、
自分のマンションの管理状態がわかるとか、興味が持てるといったことではなく、
他ではあまり紹介されない点を2点ほど紹介します。
・理事会メンバーとの交流
・トップマネジメントとしての経験
順番に説明していきます。
理事会メンバーとの交流
1年間という期間でしたが、活発な議論を交わしてきた理事会メンバーの皆さんとは今でも交流があります。
マンションを良くしていこうという思いを通じてできた仲間ですね。
年に1度集まって飲み会をしたり、普段マンション内で会ったりしても近況を話したり、理事会をやらなければ得られなかったものだと思います。
トップマネジメントとしての経験
小さな組織ではありますが、理事長は理事会という組織のトップです。
組織のトップとして、様々な職業や年齢層の理事たちを束ねていくというのは、難しいものです。
私の場合、極力、メンバー全員の意見を引き出し、参加してもらうことで円滑な理事会運営ができたと考えていますが、こうしたトップとしてのマネジメントを経験できるというのも理事長の仕事のメリットだと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
抽選で役員に当たってしまうと、とても嫌な気分になる方が多いと思いますが、真剣に取り組んでみるといろいろな気づきや経験が得られると思います。
なにより、マンションは自分の住まいであり資産だという気持ちで取り組んでいただければ、充実した任期を過ごしていただけると思います。
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