和のハーブ「大葉(青シソ)」のさっぱりした香りは夏の食卓に欠かせないです。
栄養素も、βカロテン、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE、食物繊維、ミネラルが豊富に含まれ、主役級の食材です。
そんな「大葉(青シソ)」についてこの記事では、以下のような疑問にお答えしていきたいと思います。
・大葉を育てているけど、香りがしない
・最初は良い香りだったが、香りが落ちてきた気がする
・大葉がおいしくない(香りがなく葉っぱの味しかしない)
この記事の信頼性
この記事の筆者は家庭菜園を始めて7年以上です。市民農園での露地栽培とプランター栽培で30種類以上の野菜栽培を行っています。大葉はこぼれ種で毎年生えてくるものを育てています。
【大葉栽培:香りがない?美味しくない?】香りが長続きする育て方
「大葉(青シソ)」栽培でよく聞かれるのが、
・香りがない
・美味しくない
という悩みです。
私も栽培初期のころは同じ悩みがありましたが、以下にご紹介する点を注意するようになってから、香りの良い大葉を収穫できるようになりましたので、ぜひ参考にしていただけると幸いです。
ポイントは主に以下の3点です。
・葉の裏を触らない
・適切な水分を維持する
・有機肥料主体で育てる
順番に説明していきます。
葉の裏を触らない
1点目は、「葉の裏を触らない」です。
大葉を収穫時や手入れの時にできるだけ葉の裏を触らないようにしましょう。
大葉の香りは、「腺鱗(せんりん)」という葉の裏にある小さなつぶつぶに蓄えられています。
収穫や手入れの際に、葉の裏に触れてしまうと、腺鱗(せんりん)をつぶしてしまって、香りが逃げてしまうからです。
腺鱗(せんりん)については、以下記事が参考になると思います。
適切な水分を維持する
2点目のポイントは、「適切な水分を維持する」です。
香りが良く美味しい大葉を収穫し続けるには、適度な水分を保つことが重要です。
水分が多い場合、少ない場合の問題点は以下の通りです。
・水分が多い:菌の繁殖が多くなり、病気になりやすい
・水分が少ない:ハダニなどの害虫が出やすい
ちょうど良い、水分の状態?というと、軽く握って土が固まる程度の湿り気です。一般的に言われる良い土の状態ですね。
雨は調整できないので、露地栽培ではなかなか難しいのですが、夏場の晴れの日が続く場合は水やりをしっかりする。
プランターであれば表面が乾いたらたっぷり水やりをするという感じで良い状態が長くキープできるはずです。
有機肥料主体で育てる
3点目のポイントは、「有機肥料主体で育てる」です。
化成肥料が主体で育てると窒素分が多くなることから、食味や香りが悪くなると言われています。
有機肥料主体で育てると長く肥料から適度な栄養が供給されるため、香りの良い状態が持続します。
大葉の香りや味を良くするためのワンポイント
まずくて香りのない大葉にならないための栽培上の注意点は上記で述べた通りですが、さらに香りや味を持続させたり、美味しく食べるための工夫をいくつかご紹介したいと思います。
簡単にできる工夫と、ややプロ向けの工夫を2、3点ずつご紹介します。以下の通りです。
<簡単にできる工夫>
・若い葉を摘み取る
・半日陰で栽培する
・大葉を食べる前にたたく
<ややプロ向けの工夫>
・温度管理を行う
・日照管理を行う
順番に説明します。
簡単にできる工夫
家庭菜園で簡単にできる工夫をご紹介します。
若い葉を摘み取る
大葉の先端部分の若い葉を摘み取ることで、柔らくくて香りの強い大葉を収穫することができます。
古い葉っぱの場合、固くなってしまっていますので、できるだけ若い葉を収穫しましょう。
先端の若い葉を摘むと脇芽がたくさん出てくるので多収穫になるというメリットもあります。
半日陰で栽培する
もう一つは半日陰で栽培するという方法です。
一日中直射日光が当たる場所で育てると、生育は良いのですが、葉っぱから水分が蒸発しすぎないように葉が固くごわごわしてきます。
ですので、適度に日陰ができる場所で育てると良いです。夏野菜と一緒に育てるのであれば、背丈の高いトマトなどの根元あたりに植えると適度に日陰ができて良いですよ。
どうしても日陰が無いという場合は、「寒冷紗」で日光を適度に遮ることができますので、試してみても良いと思います。
なお、日が当たらなすぎると、葉は柔らかくなりますが、香りが弱くのなるのが難点です。
食べる前に大葉を叩くと香りが増す
とてもお手軽ですが、結構効果が大きいの方法が、「食べる前に大葉を叩く」です。
手のひらに大葉を広げて両手で挟むようにしてパンと叩く(大葉を挟んで拍手1回です)と、香りが少なかった大葉もそれなりに香りが増します。
香りが増す理由は、
先述の通り、葉の裏の香りを蓄えた「腺鱗(せんりん)」を手で叩くことで、香りが出てくるからです。
ご存じでなかった方はぜひ一度お試しあれ。
ややプロ向けの工夫
家庭菜園ではできないかもですが、プロの方が行っている工夫もご紹介しておきます。
気温を20度程度で管理
ハウス栽培など室内での栽培で有効なのが、気温を20度前後に保つように管理するということです。
大葉の生育適温は20度~25度ですので、その気温を維持するということです。
家庭菜園でも、室内の水耕栽培であれば、気温管理は可能です。水耕栽培でも何百枚と継続して収穫が可能だそうです。
水耕栽培の方法については以下の本が参考になると思います。
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夜の長さを調整
2点目は、夜の長さを調整(=日照管理)を行うということです。
大葉は、日照時間が短くなり、夜が長くなってくると、「秋」が近づいたと感じて、花を咲かせて、種を作る準備をします。
大葉は花芽が付くと食味や香りが悪くなってくるので、花芽をできるだけつけないようにするための管理方法です。
日照時間が短くなってきたら、照明などで、明かりを当て、「まだ夏ですよー」と大葉に勘違いさせるということですね。
これも、ハウス栽培など室内で行うものなので一般的な露地栽培では難しいですね。
まとめ
いかがでしょうか。
この記事では、
・大葉を育てているけど、香りがしない
・最初は良い香りだったが、香りが落ちてきた気がする
・大葉がおいしくない(香りがなく葉っぱの味しかしない)
といったお悩みに答えてきました。
ちなみに、こぼれ種だと香りが弱いという説もありますが、個人的にはそのようなことは感じていません。
私は毎年こぼれ種で育てていますので、どちらかと言えば、栽培方法が大事だと思います。
野菜の味はいろいろな条件で変わってくるものですが、本記事を参考にしていただいて美味しい大葉栽培の何かの役に立てば幸いです。
記事は以上です。
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