4月は里芋栽培のスタート(種芋の植え付けシーズン)ですね。
里芋は栽培期間が長いので、掘り起こしたときにがっかりしないように、できるだけ多く収穫したいですよね。
この記事では、
・里芋の収穫量を増やす裏ワザ、テクニックみたいなものはないかな?
という疑問にお答えしていきたいと思います。
この記事の信頼性
この記事の筆者は家庭菜園を始めて5年以上になります。市民農園での露地栽培とプランター栽培で30種類以上の野菜栽培を行っています。里芋は毎年育てています。
【里芋栽培】収穫量アップの8つの裏技【無料・簡単】
里芋の収穫量を増やす裏ワザ、テクニックとして、実際に私がやっていることや調べたことをまとめました。以下の7つの方法があります。
・親芋で栽培する
・種芋を分割(切りいもに)する
・芽出し
・深植えマルチ栽培
・逆さ植え
・さし芽栽培
・踏み倒し
・米ぬか
具体的には、準備期、定植期、収穫期に分けて説明したいと思います。
準備期
準備段階でできることは、以下の3つです。
・親芋で栽培する
・種芋を分割(切りいもに)する
・芽出し
順番に説明していきます。
親芋で栽培する
1つ目は「親芋で栽培する」です。
東京大学農学博士の木島利夫先生が推奨され、収量が1.5倍になるといわれています。
これは私が実際にやってみた経験ですが、収量が増えたという実感があります。親芋で収穫量が増える理由は主に以下と思われます。
①種芋が大きく栄養分が多いためか、初期成育が良い
②株が大きく育つ
③芋に養分が回るため、収量が増える
詳しくは、以下記事を参考にしてください。
▶【里芋栽培】親芋を種イモとして栽培【収量は増える?何回使える?】
種芋を分割(切りいもに)する
2点目は、「種芋を分割する」です。
ジャガイモ栽培では大き目の種芋を切って植えることが一般的ですが、里芋の種芋を分割して植えるというのはあまり聞きません。
ですが、いろいろと調べてみると、「さといもの種芋分割による増殖法について」という論文がありまして、こちらを読んでみると、
4.成果の要約
種芋の分割による増殖は,種芋個体の大きさを小さくすることにより高まるが,株の萌芽率や目標とする1芋重を考慮すると安全な分割程度は親芋で1/8,子・孫芋で1/4であると考えられた。
と記載されています。
つまり、親芋であれば、8等分、子芋であれば、4等分することが可能だということです。種芋の節約になりますね。
さらにさらに、親芋から副芽を育てて苗にすると大量に苗が取れるそうです(サトイモの親芋副芽から作出したセル苗による優良種芋の大量増殖 (affrc.go.jp))。
芽出し
3つ目は芽出しです。
芽出しは一般的な方法だと思いますので、詳細な説明は不要かと思いますが、「生育期間が長くなるので、収量アップが期待できる」ということです。
芽出しについての詳細は以下記事が参考になると思います。
▶【里芋栽培】サトイモの芽出し(催芽)方法・効果【確実に発芽】
定植期
定植時期にできることは、以下の3つです。
深植えマルチ栽培
逆さ植え
さし芽栽培
順番に説明していきます。
深植えマルチ栽培
1つ目は、深植えマルチ栽培です。
深植えマルチ栽培では、気温の低い時期にマルチを活用して地温を上げるため、初期生育が旺盛になります。
長い期間たっぷりと日光や栄養を吸収できますので、結果として、収穫が増えるということになります。
▶【里芋栽培】深植え&マルチで土寄せしない裏技【ほったらかしOK】
逆さ植え
2つ目は、逆さ植えです。
ジャガイモ栽培などでもやりますが、里芋栽培でも逆さに植えることで、ストレスを与え、病気などに対する抵抗力のある丈夫な株を作ることができます。
丈夫な株になった結果、旺盛に成長して収穫が多くなるということです。また、収穫できる子芋のサイズも均一になるというメリットもあるようです。
こちらも木島利夫先生が推奨されている手法です。以下の記事も参考になると思います。
2015-yasaibatake-satoimosakasaue.pdf (synapse-blog.jp)
挿し芽栽培
3つ目は、挿し芽栽培です。
親芋などの芽出しを行った際に出てくる主茎以外の芽を、根っこが傷つかないようにそっとはがして、その芽も定植するという方法です。
上記で紹介した「サトイモの親芋副芽から作出したセル苗による優良種芋の大量増殖 (affrc.go.jp)」でも副芽を活用していましたが、同様の方法です。
一つの親芋から複数の株を作ることができます。
こちらのサイト(栽培記録)も参考になると思います。
芽出し里芋と、逆さ植え親芋の挿し芽を定植しました~!! | アラ古希夫婦の菜園生活
収穫期
最後に、収穫時期に収量アップが期待できる方法を2つご紹介します。
・踏み倒し栽培
・米ぬか
順番に説明していきます。
踏み倒し栽培
1つ目は踏み倒し栽培です。
借金ではなく、里芋の茎を踏み倒す栽培法です。
やり方は簡単で10月上旬から中旬の収穫の約1か月前にサトイモの茎を踏み倒します。
折れないように注意してください。朝や雨の直後は、茎がしっかり張っているため、ぽきっと折れてしまいます。夕方に行うと茎がしなっとして、倒れやすいです。
茎を踏み倒すことで、茎に流れていた栄養が子芋、孫芋に逆流することで、収量が増え、芋の大きさがそろうということです。
こちらも木島利夫先生が推奨されている手法で、「やさい畑2018年 夏号」にて紹介されたものです。
米ぬか
2つ目は米ぬかを撒くです。
米ぬかは昔から肥料として使われていると思いますが、以下の記事を発見しました。
サトイモの葉が霜でかれた後に芋の周囲に米糠をまいておくと芋が大きくなる。
(米糠をまいていないものと比較した結果です。)
まだ実験はしていないですが、米ぬかを撒くだけで芋が大きくなるならぜひ試してみたいです。今年の秋には試してみますので、結果はまたご報告します。
まとめ
いかがでしょうか。
この記事では、
・里芋の収穫量を増やす裏ワザ、テクニックみたいなものはないかな?
という疑問にお答えして、里芋栽培における収量アップのための裏ワザ的な方法をご紹介してきました。実際にやっているものもありますし、これからやりたいというものもあります。
論文を調べていると面白いことを考える人がいるんだなあと感心しながら興味を持って拝読していました。
記事は、以上です。何かの参考になれば幸いです。